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半世紀振りの「名古屋VS大阪」決戦

2005年初頭を飾る第29期棋聖戦挑戦手合は、名古屋(日本棋院中部総本部)の羽根直樹棋聖(28歳)と大阪(関西棋院)の結城聡九段(32歳)という新鮮な顔合わせ。名古屋vs大阪となれば、昭和32年の第5期王座戦決勝の島村利博八段(名古屋)vs半田道玄八段(大阪)以来だから、約半世紀振りの「名古屋vs大阪」決戦である。

 日本碁界の変動を予感させる大一番だが、初防衛を果たして2連覇をめざす羽根棋聖は、自然で本格派の棋風に加えて最近は地にも辛くなってきている。対して挑戦者の結城九段は、重厚で攻めに強い棋風で知られ、両雄の対決は見どころの多い戦いとなりそうだ。

 持ち味の豪快な棋風を発揮して天王山の第5局を制し、一歩リードした結城。 結城は今回で三度目の挑戦手合いだが、対戦成績でリードしたのも相手をカド番に追い込んだのも初めての経験だ。 一方の羽根は、昨年の天元戦こそストレートで敗れたものの、 それまでの4回の挑戦手合いでは必ず、先に相手をカド番に追い込んでいる。 もともと黒番のほうが好きだという羽根にとっても、もう後がない正念場。 箱根の地で、初の関西棋院所属の棋聖が誕生するのか、羽根が踏みととどまって勝負は第7局に持ち越されるのか、七番勝負はいよいよクライマックスを迎えた。

【第29期棋聖戦挑戦手合七番勝負の日程および対局結果】
日           程 勝    者 敗    者 結    果
     第1局 1月12、13日
     新潟県新潟市「ホテルオークラ新潟」
     羽根直樹棋聖
   ▲結城聡九段
  132手完、白中押し勝ち
     第2局 1月26、27日
     鳥取県東伯郡「望湖楼」
     結城聡九段    ▲羽根直樹棋聖   128手完、白中押し勝ち
     第3局 2月 2、 3日
     北海道函館市「ホテル平成館」
     羽根直樹棋聖    ▲結城聡九段   238手完、白1目半勝ち
     第4局 2月16、17日
     長崎県諌早市「ホテルグランドパレス諫早」
     結城聡九段    ▲羽根直樹棋聖   124手完、白中押し勝ち
     第5局 2月24、25日
     三重県志摩市「賢島宝生苑」
   ▲結城聡九段      羽根直樹棋聖   151手完、黒中押し勝ち
     第6局 3月 9、10日
     神奈川県箱根町「環翠楼」
   ▲羽根直樹棋聖       結城聡九段   201手完、黒6目半勝ち
     第7局 3月16、17日
     静岡県小山町「経団連ゲストハウス」
   ▲羽根直樹棋聖       結城聡九段   262手完、黒4目半勝ち

【選手紹介】
羽根直樹棋聖】
 昭和51年8月14日生まれ、三重県出身。平成3年入段、同年二段、4年三段、同年四段、6年五段、8年六段、10年七段、12年八段、14年九段。6年棋聖戦四段戦優勝。7年新鋭戦優勝。11年第40期王冠戦優勝、第25期名人戦リーグ入り、26期残留。12年第56期本因坊戦リーグ入り、57期残留。
 平成13年、第27期天元戦で柳天元を破り天元位に。同年、第26期棋聖戦リーグ入り、27期残留。14年天元位防衛、王冠位獲得。15年天元位防衛、王冠位防衛。16年第28期棋聖位獲得し、中部総本部所属棋士として初の三大タイトルを保持。
 棋道賞として、7年新人賞、8年と9年最多勝利賞、11年連勝賞、13年優秀棋士賞、最多対局賞、15年優秀棋士賞。14年第39回秀哉賞受賞。ほか土川賞3回受賞。 羽根泰正九段は実父。しげ子初段は夫人。
【結城聡九段】
 昭和47年2月11日生まれ、兵庫県出身。師・佐藤直男九段。59年入段、同年二段、60年三段、61年四段、62年五段、平成元年六段、3年七段、5年八段、9年九段。
棋聖戦は、第13期五段戦、15期六段戦、18期七段戦、19・20・22期八段戦で各優勝。
5年18期新人王。5、6、7、12年本因坊戦リーグ。
6年名人戦リーグ。7年第28期早碁選手権戦優勝。
8年関西棋院第一位決定戦優勝。
9年第22期、14年第27期碁聖戦挑戦者。
15年第25期鶴聖戦優勝。
16年第1回JALスーパー早碁優勝。関西棋院最優秀棋士賞5回受賞。

【過去の対戦成績】
日時 棋戦 羽根3勝 結果 結城1勝
  2000年11月16日   第56期本因坊戦リーグ 白中押し勝ち
  2003年 1月13日   第16期富士通杯最終予選 黒中押し勝ち
      〃  2月24日   第25期鶴聖戦決勝 黒中押し勝ち
      〃  4月3日   第42期十段戦3次予選決勝 白中押し勝ち
通算成績 羽根 3勝 1敗

 

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